お金をかけずに簡単に!中小企業におすすめの自社VPN構築法【2025年最新版】

▼この記事でわかること
こんにちは、タテマツです。
中小企業の経営者様、情報セキュリティ対策、特にリモートワーク時の安全性確保に頭を悩ませていませんか? 社員が自宅や外出先から社内データにアクセスする機会が増えた今、情報漏えいや不正アクセスのリスクはかつてないほど高まっています。「うちは大丈夫」と思っていても、対策を怠れば大きな損害に繋がりかねません。
そこで重要になるのが、**自社専用の仮想プライベートネットワーク(VPN)の構築**です。しかし、「専用機器は高価だし、専門知識も必要そう…」と導入をためらっている方も多いのではないでしょうか。
ご安心ください!今回は、そんな中小企業の皆様でも、お金をかけずに、比較的簡単に導入できる自社VPNの構築方法を、具体的な選択肢と共にご紹介します。初心者の方にも分かりやすい言葉で解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
なぜ中小企業にVPNが必要なのか?基本をおさらい
VPN(Virtual Private Network)とは、インターネット上に仮想的な専用線を設定し、安全なデータ通信を実現する技術です。VPNを利用することで、カフェのフリーWi-Fiのような公共のネットワークからでも、あたかも社内LANに直接接続しているかのように、暗号化された安全な経路で社内サーバーや共有ファイルにアクセスできます。
メリット:盗聴、改ざん、なりすましといったセキュリティリスクを大幅に軽減し、社員がどこにいても安心して業務に取り組める環境を提供します。
【方法1】今あるPC設備を賢く活用!Windows/LinuxでのVPNサーバー構築
まずご紹介するのは、現在社内でお使いのPC、あるいは手頃な中古PCをVPNサーバーとして活用する方法です。追加のハードウェア購入費用を最小限に抑えられるのが大きなメリットです。

必要なもの:
- サーバーとして稼働させるPC(Windows Server OS、主要なLinuxディストリビューションなどがインストールされているもの)
- VPNサーバーソフトウェア(例:OpenVPN、SoftEther VPNなど)
構築ステップの概要:
- 選定したPCに、選択したVPNサーバーソフトウェアをインストールします。
- ソフトウェアの指示に従い、ユーザーアカウント設定、IPアドレス範囲、暗号化方式などの必要な設定を行います。
- ルーターのポートフォワーディング設定を行い、外部からのVPN接続要求をVPNサーバーPCに転送できるようにします。
- 社員が使用するPCやスマートフォンに、対応するVPNクライアントソフトウェアをインストールし、接続設定を行います。
これで、社員は外出先からでも、VPNクライアントを通じて安全に社内ネットワークへアクセスできるようになります。Windows Serverには標準でVPN機能(RRAS)が搭載されている場合もあり、比較的容易に設定可能です。Linuxベースであれば、オープンソースの強力なVPNソフトウェアが多数利用できます。
【方法2】低コスト&省エネ!Raspberry Piを使ったお手軽VPNサーバー構築
次にご紹介するのは、クレジットカードサイズの小型コンピューター「Raspberry Pi(ラズベリーパイ、通称ラズパイ)」をVPNサーバーとして活用する方法です。本体価格が非常に安価で、消費電力も極めて少ないため、運用コストを大幅に抑えられます。

必要なもの:
- Raspberry Pi本体(モデル3B+, 4, 5などが推奨)と電源アダプタ、microSDカード
- Raspberry Pi OS(旧Raspbian)
- VPNサーバーソフトウェア(例:OpenVPN、PiVPN(OpenVPNの簡易インストーラー)、WireGuard、SoftEther VPNなど)
構築ステップの概要:
- Raspberry PiにRaspberry Pi OSをインストールします。
- 選択したVPNサーバーソフトウェア(PiVPNなどを使うと設定が比較的簡単です)をインストールし、設定を行います。
- ルーターのポートフォワーディング設定を行います(方法1と同様)。
- 社員が使用するデバイスにVPNクライアントソフトウェアをインストールし、接続設定ファイル(プロファイル)をインポートします。
Raspberry Piは、その小ささにも関わらずVPNサーバーとして十分な性能を発揮し、専門知識がそれほどなくても構築できるのが大きな魅力です。常時稼働させても電気代の負担が少なく、設置場所にも困りません。
(注:Raspberry Piのモデルによっては、時期により入手が不安定な場合があります。最新の在庫状況をご確認ください。2023年後半以降、供給は改善傾向にあります。)
まとめ – 自社に最適なVPNでセキュアな業務環境を!
自社VPNの構築には、ある程度のセキュリティ知識や技術的な作業が伴いますが、今回ご紹介した方法は、特に専門のIT担当者がいない中小企業でも比較的取り組みやすいものです。
既存のPC設備を有効活用する方法も、低コストで人気のRaspberry Piを利用する方法も、大きな初期投資を必要とせず、リモートワークの安全性を格段に向上させることができます。情報漏えいや不正アクセスは、一度発生すると企業の信頼を大きく損なう可能性があります。プロアクティブな対策として、自社VPNの導入は非常に有効です。
ぜひ、この記事を参考に、貴社に最適なVPN構築方法を検討し、セキュアで効率的な業務環境を実現してください。
タテマツデジタルソリューションでは、中小企業様の規模やニーズに合わせたVPN導入支援や、その他セキュリティ関連のご相談も承っております。「どの方法が良いか分からない」「設定に不安がある」など、どんなことでもお気軽にご相談ください。